検認って時間がかかるものなのですよ

【 公正証書遺言?自筆証書遺言?どちらがいいか? 】

 最近のご相談の多くが遺言についてです。10年以上前から自筆証書遺言の書き方などのセミナーや講座を実施してきて、最終的には公正証書遺言にすることが安全ですよ、検認も必要ないですしとまとめていたのですが、ここ数年、これではいけないと真剣に考えるようになりました。

 遺言がたくさんあって、逆に遺言があるために揉め事になる相談が増えたのです。遺言でできること、できないことはあるものの、人生の後半に様々な思いの中で、揺れ動く気持ちを形に表すとき、明らかにこれは違うというものもあるのです。

 自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、遺言が見つかったとき、遺族は勝手に開封はできません。家庭裁判所の検認が必要です。その検認が思いのほか時間と労力がかかることをご存知ですか?

 配偶者がいて、子どもがいる、その場合それほど問題はありませんが、配偶者も子どももいない、兄弟姉妹が相続人でその兄弟姉妹も亡くなっていて、代襲相続である時、問題が起きます。重ねて、離婚や婚外子がいる場合など、検認を受けるための手続きは大事になります。相続手続きは税法上は10ヶ月、検認にそれを越える時間がかかることはないと思いますが、故人の若いころの過ちなど、プライベートなことまで洗いざらいになることは心が痛みます。 「叔父さんや叔母さんの知らなかった部分」を知ることになります。遺族の方々の戸惑いもあります。

 相続財産の名義変更の手続きを行うには、遺言があれば指定分割で最優先、なければ遺産分割協議で分割、遺言がなければスムーズにことが終了したのにと思うことが多々あります。どうか遺言は公正証書遺言で、そしてあいまいな気持ちで遺言されないように、お願いしたいと思います。

【 Aさんの例~自筆証書遺言と公正証書遺言の両方が存在した場合~ 】

1.自筆証書遺言は親族が所持していた。
2.葬儀後、念のためAさんの住所地の公証役場に問合せしたところ、公正証書遺言有り。

Aさんは遺言をしていることを、誰にも告げていなかった。
原本どおりの遺言書を受け取るためには、相続人であることの証明(戸籍)が必要。