成年後見制度を知ろう

【 成年後見制度とは 】

 成年後見制度は介護保険制度と同時に施行され、これからの高齢社会の目玉ともなる制度です。判断能力の不十分な人(高齢者認知症・知的障害者・精神障害者)を支える法律上の制度です。
 早い時期に「自分を知る。身の丈を知る。生活の変化に対応できる柔軟性を身につける。小さな幸せを感じたり、見つけられる余裕をもつ。社会の仕組みを知り、転ばぬ先の杖の情報(制度、相談機関)を持つ。一人で抱え込まず、話す相手を持つ。」ことができたら、最悪の状態に陥らずに済んだはずです。
 判断能力が不十分であるために、日常生活に不自由や不都合が生じてしまっている人に、後見人などの保護者が不十分な部分を補うことによって、生活を安定させ、生命・身体・自由・財産などの権利を保護するものです。すべて保護者にお任せの制度ではなく、本人の生活や意思に寄り添って保護や支援を行っていくことが目的となっています。
 具体的には、身上監護と財産管理を行うことになりますが、制度は大きく法定後見と任意後見に分けられます。

【 法定後見制度とは 】

 法定後見は、本人の判断能力が不十分な状態になってから、本人や親族などの申立によって家庭裁判所が、後見人等や後見人に依頼する代理権の範囲や内容を決定し、保護や支援を行っていく制度です。法定後見は、本人の判断能力の程度により、「補助」「保佐」「後見」のいずれかの類型に家庭裁判所により、分けられます。

「補助」・・・重要な財産管理は、できれば誰かが代わったほうが良い人
「保佐」・・・日常の買い物程度はできるが重要な財産管理は自分では難しい人
「後見」・・・日常的な買い物も誰かに代わってやってもらいたい人です。後見人等が行う後見事務は、被後見人等の生きている間を支援します。

【 任意後見制度とは 】

 任意後見とは、元気なうちに本人の意思であらかじめ後見をしてくれる人を選んでおく制度です。任意後見契約は、個人と個人がお互いの意思で結ぶ契約ですが、公正証書で結ぶことが法律で義務づけられています。法律上問題のある契約を公証人がチェックすることで後見人をたのんだ本人に不利な契約とならないようにするためです。
 法定後見は、生きている間の後見ですが、任意後見は自分の死後のことも依頼することができます。「死後の契約」といい、葬儀や納骨など幅広いことを依頼することができますが、どこまでのことを後見人に任せるのか、代理権の範囲を決めることが難しいことになります。親族がいなければ、職業後見人に依頼するということになりますが、職業後見人の報酬は、全国平均で月3万円位になっています。

【 成年後見制度の担い手たち 】

 市民後見人制度の担い手として期待されているのは中高年です。ヘルパー2級資格取得など、女性は介護の分野へ進出し、男性は、法律知識を生かして「後見人等」を引き受けたら、それこそ、これからの高齢社会を救う車の両輪になります。ただ、後見人等になることは、ボランティア精神といった側面がつよいので高額な報酬は望めません。ビジネスではなく、あくまでも無償もしくは有償ボランティアとして、能力と時間を成年後見人制度に活かしていきたいものです。